第40章

水原遥は植田真弥に話しかけようと前に出ようとしたが、その時、植田真弥はもうリビングに留まる気はなく、水原遥が自分の前に立ちはだかるのを見て、思わず手を上げて彼女を押してしまった。

水原遥は勢いよく後ろの壁に背中をぶつけ、腕はたちまち大きく赤く腫れあがった。

彼女は痛みに眉をひそめ、「本当に恩知らず!」と吐き捨てた。

そう言うと、水原遥は怒りに任せて彼の寝室から出て行った。

外に立って、彼女は怒りしか感じなかった。自分は彼のためを思ってやったのに、感謝するどころか、蒸し返すなんて。こんな人は今まで見たことがなかった。

水原遥も自分の次寝室に戻り、もうリビングには行かなかった。夜になっ...

ログインして続きを読む